【書籍紹介】高校入試/湊かなえ

書名:高校入試

著者:湊かなえ

出版社:角川文庫

発行日:10/03/2006

頁数:420頁

分類:学園ミステリー

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概要

県内有数の進学校である橘第一高校の入学試験当日。多くの受験生たちが緊張の中で試験に臨む一方、校内では不審な出来事が起こり始める。入試に関する意図的な混乱。教師たちは事態の収拾に追われるが、状況は次第に悪化していく。

「入試をぶっつぶす!」

この言葉の意味とは何か。受験生、保護者、教師それぞれの思惑や過去が絡み合い、人間関係の歪みや隠された真実を暴き出す舞台へと変化する。限られた時間の中で真相に迫っていく緊迫のミステリー。

感想

本作は学校という閉ざされた空間と入試という限られた時間の中で、人間の本音や思惑がむき出しになっていく緊張感のある作品です。高校入試、一見公平と思われる場の裏側で、それぞれの立場や過去が絡み合い、少しずつ不穏な空気が広がっていく展開に引き込まれます。登場人物の視点が細かく切り替わることで真実が断片的に見えてくる構成も巧みで、最後まで目が離せませんでした。人の弱さや狡猾さがリアルに描かれているのが印象的です。

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試験問題の漏洩やトラブルは偶然ではなく、複数の人物の思惑が重なった結果であることが明らかになっていきます。特に印象的だったのは、過去のいじめや教師と生徒の関係が現在の事件に繋がっている点で、単なる入試トラブルにとどまらない深さを感じました。そして、ネット掲示板という場でのコメントと共にストーリーが進行していく所に、実際起こり得そうなリアルさを感じました。主人公的な立ち位置にいる春山先生が犯人の一人であることも驚きです。それぞれが自分の正しさを信じて行動した結果、事態が大きく歪んでいく様子から、人間の弱さや集団の怖さを強く考えさせられました。内容とは関係ありませんが、登場人物が多いので最初に相関図があるのは助かりました。

こんな人におすすめ

視点が細かく切り替わり一回の終わりが探しやすいので、少しずつ読み進めたい方におすすめです。最後まで展開が読めないので、ドキドキしたい方はいかがでしょうか?

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